I.
応急処置
ニームは、健康な人々がけがをしたり、危険を伴わない病状に対して治療が必要な時によく使用されます。抗菌、抗ウイルス、解熱、抗炎症成分を有するニームは、これらの例に使用する治療特性の貯蔵庫と言えます。
1. 切り傷/擦り傷
ニームの殺菌消毒性および治療特性は、軽い切り傷や擦り傷の際の応急処置に優れています。ニームはまた、創傷を非常によく治療することが明らかになっています。ニームは、血流を増加して、傷を閉じるコラーゲン線維を素早く作る手助けをすることで血管透過性を増加させる力があります。
<処置方法>
あわ立てた石鹸の泡に少なくとも1%のニームオイルを添加したニーム石鹸でその部分を洗浄し、包帯を巻く。大けがの場合は、免疫系を刺激させるために少量のニームの葉を摂取するのが伝統的である。著しい速さで回復するだろう。傷ついた皮膚を保護し、局所的に免疫系を強めるためにニームの葉を使用することで傷が小さくなる。
2. やけど
やけどは痛みがあるだけでなく、空気感染から皮膚や身体を防御する皮膚の力に影響を及ぼします。ニームは、何世紀にも渡って皮膚疾患を治療し感染を予防してきました。やけどは、ニームクリームを患部に軽く塗ることで非常に効果的に治療できます。ニームは、痛みを和らげ、感染の原因となる細菌を殺し、局所的免疫系を活性化させ、傷の治癒を早めます。
<処置方法>
やけどをしたら、すぐに氷で冷やしながらニームクリームをやけどに塗りなさい。水ぶくれになるか皮膚が白くなってきたら、ニームクリームを塗ってから包帯を巻きなさい。やけどが完全に治るまでニームクリームを塗り続けなさい。日焼けも同様に、ニームクリームで治療できる。日焼け後にニームクリームを使用すると、痛みやかゆみがぐっと減り、ニームクリームを塗らなかった部位に比べて皮膚へのダメージも少なく、皮がむけないことが明らかにされている。
3. 捻挫/打撲
捻挫や打撲は、ニーム茶を飲み、暖めたニームクリーム或いは、砕いたニーム葉のペーストを補助的に用いることで治ります。局所的調剤としてのニームは、患部の血流をよくする手助けをします。これにより皮膚の変色を抑え、治療を促進させます。ニーム茶を飲むと、ニーム葉に含まれる化合物が、炎症を抑え、血管を拡張させ、痛みを和らげます。ニームエキス、アスピリン、インドメタシンを使った実験では、ニームエキスがどちらの標準薬よりも50%炎症を抑制しました。
<処置方法>
捻挫をしたら、患部にニームの葉を含有した湿布を巻くか、ニームクリームを塗り、氷で冷やしなさい。ニームオイルと葉のエキスを局所的に塗布することで、患部に吸収され抗炎症作用と鎮痛作用をもたらす。また、痛みを和らげ、内的な炎症を抑えるためにニーム茶を飲みなさい。
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4. 耳痛
耳痛は通常、中耳の感染か外耳道の炎症であり、しばしば感染により引き起こされます。ニームを直接に耳道に塗布すると、局在的な痛みのレセプターを軽減させ、炎症を抑え、耳痛の原因となりうる細菌を殺します。耳道にニームを塗布することに加えて、お茶の形で体内にニームを摂取すると、痛みを和らげ、身体の免疫系を刺激します。
<処置方法>
耳痛を治療するニームオイルの作り方:
ニンニク一片を茶さじ一杯のゴマ油に入れて温める。ちょうど人肌の温度まで冷ましなさい。カンファー(樟脳)オイルを2滴とニーム葉エキス、あるいはニームオイルを5滴加え、それぞれの耳にたらす。過剰に除去しないよう、また流れ出さないようコットンを少量使いなさい。
5. 発熱
ニームは、解熱(熱を下げる)化合物であり、伝統的に解熱に使用されてきました。水溶性エキスが有効である一方で、ヘキサン抽出された化合物が最も有意に解熱効果を示し、また、nimbidin(ニームの葉の成分)が繰り返し続く発熱を抑えることも明らかにされました。
解熱剤としてのnimbidinの効果を測定した実験では、結果は特筆すべきものでした。その研究では、ワクチンでラットを発熱させ、体温が最低2℃上がったラットが実験に使用されました。基本的に、1/3のラットには水が与えられ、次の1/3のラットには500mgのアスピリンが、残りの1/3のラットニハ100mgのnimbidinが与えられました。アスピリンが与えられたラットは、2時間後に約1℃体温が下がりましたが、その後徐々に体温が上がりました。nimbidinが与えられたラットは、1時間後に1℃、2時間後には2℃体温が下がり、3時間後に0.5℃体温が上がりましたが、それ以降安定しました。
<処置方法>
熱を下げるためには、成人の場合、ニームの葉を5枚使用して作ったお茶を2杯飲みなさい。もし必要なら、4時間後に繰り返しなさい。ニームの中にある化合物がアスピリンの化合物によく似ています。解熱剤として小さい子供に対して使用するのは薦められない。
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