Y. 歯の病気予防
1. 歯周病
歯とそれを支える歯茎は、虫歯(う蝕)や歯槽膿漏を引き起こす細菌ストレプトコッカスによる感染を受けやすく、治療を放置していると、ついには歯肉炎になることがあります。細菌が歯の表面に吸着し、他の細菌の住処となるプラーク(歯垢)と呼
ばれるコロニーを形成します。これらの細菌は、糖分を利用して歯の表面を溶かす酸を産生します。これが虫歯を作り、歯髄を腐蝕して歯痛を引き起こします。もし、細菌が歯茎の下にまで到達すると、歯茎から出血する歯肉炎が起こり、歯が抜けるか、痛い矯正手術を受けることになります。
プラーク形成と歯の表面の細菌数を減少させる最も効果的な方法を調べる実験で、抗生物質とニームを含め抗菌性を持つと考えられる植物材料とを比較したところ、炎症を起こした歯茎に発見された微生物はペニシリン耐性(44%)、テトラサイクリン耐性(30%)でしたが、ニームのような抗菌植物エキスに耐性はありませんでした。そして、抗生物質と違って、抗菌植物エキスは、歯茎で効力を阻害するアレルギーもありませんでした。
最近、ニームのチューイングスティックの有効性を調べたところ、抗プラーク性、抗菌性の両方が証明されました。チューイングスティックのエキスmpまた、ミュータンス連鎖球菌と大便連鎖球菌を死滅させるのに大変効力があったことが明らかになりました。
臨床試験の追跡調査をするため、歯肉炎と確認された50人の患者が選ばれ、そのうち40人にひどい出血と歯槽膿漏が見られました。3週間葉エキス含有の練り歯磨きで1日2回歯磨きをさせたところ、80%に有効な改善が見られました。また、副作用を伴うこともなく、細菌数が50%減少し、口臭も消えました。
ニームは何千年もの間、インドや南アジア全土で健康な歯と歯茎を維持する好ましい方法として利用されています。インドの人々は、ニームの小枝の先を毛羽立つまで噛んでブラシにして、「天然の歯ブラシ」で毎食後、歯を磨いています。小枝中の樹皮や樹液が歯を清潔にし、病気から口を守ります。小枝を噛まない人々にとっては、ニーム含有の練り歯磨きやうがい薬が現在利用できます。これらの製品は、虫歯を予防し、歯周病を治療し、口腔組織を若返らせます。歯科治療に対してニームを処方したアーユブヴェーダの実践が正しいことを証明しています。
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2. 歯槽膿漏
歯槽膿漏は、歯根を覆う歯茎や歯根膜の炎症が特徴です。何より、この病気は原因で、35歳を過ぎると人々は多くの歯を失っています。ドイツで行われた様々な段階の歯槽膿漏の患者70人に対する研究では、ニームの練り歯磨きとうがい薬による治療を5〜10回行ったところ、歯茎の出血も止まり、有効な改善が見られました。青色がかった色みの歯茎は、健康的な青白いビンク色に戻りました。ニーム樹皮は、ある細菌に対して葉よりもニーム成分が優位で、苦味もかなり少ないため、練り歯磨きやうがい薬に使われます。
<処置方法>
症状が軽い場合や予防として、ニーム樹皮粉末、或いは、練り歯磨きで歯を磨くことが薦められる。症状が進行している場合には、毎晩、就寝前に
ニーム樹皮粉末を30分間、歯茎の上に置きなさい。
3. 歯肉炎(歯茎の出血)
ニーム樹皮エキスは、歯の表面における連鎖球菌のコロニー形成能力を減少させます。歯肉炎は、ニームの練り歯磨きとうがい薬を規則正しく使用することによって、予防でき、治療できることさえあります。
ある人は、フレッシュなニームの葉を噛むことで歯茎が元通りになったと報告してくれました。ニームの免疫反応向上力や抗菌化合物が歯茎や口腔組織において作用を及ぼす結果だと考えられています。
<処置方法>
歯肉炎を予防し治療するためには、毎食後、ニームの練り歯磨きで歯を磨き、ニームエキスのうがいクスリを使用することが推奨される。重篤な場合には、週間毎日ニーム茶を併せて飲みなさい。
4. 虫歯
虫歯は、主に歯の上で形成されるねばねばした物質、プラークが原因であり、このプラークは食べ物のカスや唾の副産物、細菌から構成されます。食べ物のカスが分解されるにつれて、細菌によって産生された酸が、徐々に歯のエナメル質に侵食して虫歯をつくります。
ニームの小枝で歯を磨くことは、何百万人もの南アジアの人々が現代の歯科医療から非常に遠い場所にいながら虫歯を避けるのに役立っています。現代の利用可能な製剤とともに、多くの人々が、現在、基本的には同じ生理活性をもつニーム化合物が含有された市販製品を利用しています。
<処置方法>
ニームの練り歯磨きで規則正しく歯を磨き、うがい薬で口をゆすぐことは、虫歯の原因となる細菌を死滅さえ、口腔免疫性を高め、歯石やプラークの形成を予防する。
5. 歯痛
ニームの鎮痛化合物は、歯痛の不快さを一時的に減少させるでしょう。血管拡張化合物そして抗炎症化合物は、歯痛の原因となりうる神経への圧迫を軽減させるでしょう。
<処置方法>
痛みや炎症を抑えるために、ニーム葉エキスを2,3滴とクローブ1個を痛みのある部位の近くの歯茎にのせなさい。
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