ヒューマニック・インフォは、『ニーム』(インド原産の木)の情報を発信しています。 |
【お知らせ】 |
発行日:2009.4.20(月) インド伝統医学アーユルヴェーダでは、4000
年以上前からニームを神から授かった薬木として、珍重してきた。アーユルヴェーダでは、「すべてのものが、道理を目的に従えば、薬になる」(『チャラカ・サンヒター』(紀元1世紀頃)と教えられており、薬になる有用植物の代表がニームである。 ニームは、種子、果実の仁、葉、花、樹皮など、あらゆる部分が薬として利用できるというが、樹皮と葉、種子からのニームオイルが主に使われている。これらは苦味で冷性があるため、体内に火のエネルギーや余分な水分が増大した状態において効果をもつとアーユルヴェーダでは教えられている。そのような体内の過剰な熱を下げる作用をもつことから、苦味強壮剤、血液浄化剤、駆虫剤などとして、幼少児から高齢者まで幅広く活用されてきた。 具体的には、幹の樹皮は抗菌作用があり、葉や根の樹皮や若い果実は、苦味強壮剤として、糖尿病やメタボリックシンドローム、歯肉疾患などに使われる。花は、消化不良に、実は、寫下・駆虫剤として、新鮮な小枝は、主に歯槽膿漏に対して日常的に使われる。葉や種子から絞ったオイルは、抗菌、抗虫作用があるため、皮膚の膿瘍や潰瘍、湿疹に、浴剤などとして外用される。また、リウマチや打ち身などにも湿布されることもある。 ヒト以外の獣医学的な利用価値も大きく、樹皮を動物の傷や下痢、のみなどに使ってきた。 葉は、膿瘍の治療に使われている。出血や感染、発熱、しらみなどに使われる。ニームのどこでも、樹脂やオイルでも、虫や口内の傷、舌炎、肝炎、黄疸、皮膚病、リウマチに対して効果があるとして伝統的に利用されてきた。 アーユルヴェーダの考えに従えば、ニームは、火と水のエネルギーの過剰状態(体内に過剰な熱と余分な水分がたまった状態)に用いれば、それらを鎮静化してバランスをもたらす結果、上記のような種々の薬効を発揮すると考えられている。しかし、過量に用いると風のエネルギーを増大させて、逆に病気を起こしてしまうこともある。そのため、冷えによる病気(風のエネルギーの増大した病気)や、組織が欠乏した状態(栄養失調など)には禁忌とされている。 |
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